今週の注目疾患   2021年 19週(2021/5/10~2021/5/16)
【今週の注目疾患】

【E 型肝炎】
 2021 年 19 週に県内医療機関から E 型肝炎が1例報告され、2021 年の累計は 13 例となった。
現時点において、今年は過去5年間(2017 年~2021 年)において最も報告数が多かった 2019 年に次ぐ増加速度となっており、今後の発生状況を注視していく必要がある。
性別では女性が 7 例、男性が 6 例とほぼ同数であり、年代別では 50 代、60 代がそれぞれ 4 例/13 例(31%)ずつ、40 代が 3 例/13 例(23%)と 40 代~60 代の患者が大半を占めていた。
保健所管内別では、習志野・市原保健所管内で 3 例ずつ、海匝・船橋市保健所管内で 2 例ずつ報告があった。
推定感染経路別では経口感染と思われる症例が 8 例/13例(62%)で、うち 5 例が食肉の喫食歴があった。

【感染性胃腸炎】
 2021 年 19 週に県内定点医療機関から報告された感染性胃腸炎の定点当たりの報告数は、前週の 1.38(人)から増加し、定点あたり 2.71(人)であった。
過去5年間の発生状況では昨年度(2019/20 シーズン)を除き、5月の大型連休明けに報告数が増加する傾向が見られており、今後の発生状況を注視していく必要がある。

 E型肝炎はE型肝炎ウイルスに汚染された食品や水等の摂取により感染し、主に発展途上国で流行している感染症である。
日本や欧米諸国等の先進各国では散発的な発生のみで大部分は輸入感染症と考えられてきたが、近年渡航歴のない者からも患者が見つかるようになってきており、ウイルスに汚染された食肉等の喫食による感染の可能性が示唆されている1)。

 感染性胃腸炎は多種多様のウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、サポウイルス等)、細菌(病原性大腸菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター等)、原虫・寄生虫(クリプトスポリジウム、アメーバ、ランブル鞭毛虫等)が本疾患の原因病原体となり得る。
国の報告2)によると、例年冬季に主にノロウイルスを原因とする流行がピークを形成し、春にはロタウイルスによる流行の発生、その後夏季に近づくにつれ、気温の上昇とともに腸炎ビブリオ等細菌性やいわゆる食中毒によるものの報告数が多くなる傾向がある。

 これら疾患の発生予防のため、日頃より手指衛生の励行、食品(特に食肉類)の十分な加熱等の対策を講じることが重要である。

≪引用・参考≫
1)E型肝炎ウイルスの感染事例・E型肝炎Q&A(厚生労働省)
>>詳細はこちら
2)感染性胃腸炎とは(国立感染症研究所)
>>詳細はこちら


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年5月21日更新)