今週の注目疾患   2021年 12週(2021/3/22~2021/3/28)
【今週の注目疾患】

【バンコマイシン耐性腸球菌感染症】
 2021年第12週にバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症の届出が今年初めて1例報告された。
2006年~2021年までに県内で報告されたVRE感染症は合計38例で、2020年に年間6例と最も多く報告されており、他の年では概ね0例~5例ほどの報告数で推移している。
性別では女性が20例(53%)で、年代別では70代が最も多く14例(37%)、次いで80代が9例(24%)と多く、60代以上の高齢者が全体の8割を占めていた。
 また、二次医療圏別では東葛南部が15例(39%)、東葛北部が13例(34%)と東葛地域からの報告が7割以上(73%)と多く見られた。
 国の報告によると、近年、国内において全国的にVRE感染症届出患者の増加が見られ、2020年ではこれまで最多であった2010年を上回る報告数となっており、これまで報告のなかった都道府県からも報告があがるようになってきている。
また、世界的にも、欧州地方において、特に2017年以降、VRE感染症の増加が見られている 1)。
VREは院内感染の原因となる代表的な薬剤耐性菌の一種であり、健常者では通常腸管内に保菌していても無害・無症状であるが、術後の患者や感染防御機能の低下した患者では腹膜炎、術創感染症、肺炎、敗血症等の感染症を引き起こす場合があり、時に重篤となることもある 2)。
院内でひとたびVRE感染症のアウトブレイクが発生すると、転院等を介して地域内の他の医療機関等へVREが拡散し、地域蔓延の可能性が考えられるため、発生を探知した際には、速やかに患者の隔離やスクリーニング検査による排菌者の捕捉、医療機関スタッフの標準予防策や経路別感染予防策の強化等の感染対策を実施し、適宜管轄保健所等の行政機関や協力医療機関との連携を取ることが重要である。

≪引用・参考≫
1): >>詳細はこちら
国立感染症研究所 IASR 速報(3 月 30 日):2020 年におけるバンコマイシン耐性腸球菌感染症届出患者の増加について
2): >>詳細はこちら
国立感染症研究所バンコマイシン耐性腸球菌感染症


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年3月31日更新)